一般建設業許可申請書類の押印不備、不正の手段による建設業許可取得、などの判例集です。
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裁判要旨
一般建設業の許可申請において,許可申請書に添付された誓約書,経営業務の管理責任者証明書,専任技術者証明書,許可申請者の略歴書及び使用人の略歴書が,それぞれ代理人名義で作成され申請者本人の押印を欠いていた場合につき,建設業法(平成6年法律第63号による改正前)6条及びこれに基づく同法施行規則(昭和24年建設省令第14号)によりこれらの添付書類につき申請者本人の押印が要求されているのは,これらの書類が本人の意思に基づいて作成されたことを証するとともにその責任の所在を明確にするためであり,また,これらの書類はその記載内容が真正であることを誓約又は証明することを内容とするものであるところ,その誓約又は証明は,その性質上,本人のみがすることができ代理に親しまない事項であるから,本人自身の押印がない限り文書の真正を証することはできないとした上,申請者本人の押印を欠く前記各書類は,法の要求する誓約又は証明を欠くものであり,したがって,前記申請は,同法(同改正前)8条に規定する「添付書類中に(中略)重要な事実の記載が欠けているとき」に該当するものであるとして,同申請を不許可とした建設大臣の処分が適法とされた事例。
裁判要旨
一般建設業の許可申請において,許可申請書に添付された誓約書,経営業務の管理責任者証明書,専任技術者証明書,許可申請者の略歴書及び使用人の略歴書が,それぞれ代理人名義で作成され申請者本人の押印を欠いていた場合につき,建設業法(平成6年法律第63号による改正前)6条及びこれに基づく同法施行規則(昭和24年建設省令第14号)によりこれらの添付書類につき申請者本人の押印が要求されているのは,これらの書類が本人の意思に基づいて作成されたことを証するとともにその責任の所在を明確にするためであり,また,これらの書類はその記載内容が真正であることを誓約又は証明することを内容とするものであるところ,その誓約又は証明は,その性質上,本人のみがすることができ代理に親しまない事項であるから,本人自身の押印がない限り文書の真正を証することはできないとした上,申請者本人の押印を欠く前記各書類は,法の要求する誓約又は証明を欠くものであり,したがって,前記申請は,同法(同改正前)8条に規定する「添付書類中に(中略)重要な事実の記載が欠けているとき」に該当するものであるとして,同申請を不許可とした建設大臣の処分が適法とされた事例。
裁判要旨
1 建設業法(平成6年法律第63号による改正前)の定める建設業の許可制度は,建設業を営むことを原則として禁止し,施工能力,資力,信用の点からの一定の許可基準を設けてこれに適合する者のみに営業を許すものであり,もって建設工事の適正な施工を確保し,発注者の保護を図るとともに,建設業の健全な発達を促進することを目的とする制度であって,同法29条に定める建設業の許可の取消しは,許可制度の実効性を担保するために設けられた許可行政庁の監督処分であると解されるから,同条5号にいう「不正の手段」とは,許可行政庁の判断を誤らせるべく許可申請書やその添付書類に虚偽の記載をしたり,許可の審査に関連する行政庁の照会,検査等に対して虚偽の回答等をしたり,あるいは暴行,脅迫等の不正な行為をしたりすることを指すものと解するのが相当である。
2 建設業者が法人である場合において,当該法人の代表者以外の役員又は従業員により建設業の許可又はその更新の申請手続がされ,それらの行為者が故意に「不正の手段」を用いたときは,たとえ当該代表者において「不正の手段」を用いることの認識がなかった場合であっても,当該行為者の行為について当該代表者に監督上の責任がないと認められるなど,これを当該法人の行為と同視することができないような特段の事情がある場合を除き,当該法人において故意に「不正の手段」を用いたものと同視するのが相当である。
3 建設業を営む株式会社が不正の手段により特定建設業の許可の更新を受けたとしてされた当該許可の取消しにつき,当該許可の更新の手続は,前記株式会社の取締役及び従業員によってされたところ,それらの者は故意に資本の額を過大に偽った商業登記簿謄本を知事に提出したものであり,これについて前記株式会社の代表者に監督上の責任がないと認めるべき特段の事情はないから,同株式会社には建設業法(平成6年法律第63号による改正前)29条5号に該当する事由があるなどとして,前記取消しが適法とされた事例。
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